【脱SES】に個人目標の設定は必要なのか

離職率を劇的に改善させる中小企業診断士・キャリアコンサルタントの森田です。
今回は、2次請け以降のIT企業が成長するため、社員の定着率を向上させていくのに必要不可欠な【個人目標の設定】について述べたいと思います。
2次請け以降のIT企業で色々な開発言語、様々な作業をやらされてきましたが、客先を転々としていると現場ごとに使う開発言語が異なる、プログラマーからエンジニア、プロジェクトリーダーからマネジャーへと役割も変わっていく。その中で自分は将来どんなキャリアを積み上げて、どんな人間になりたいのか、考え込んでしまうことが多かったです。考え過ぎて転職しちゃった、みたいなこともありました。
目の前の仕事に集中しようとしても心の片隅では「何のため?」が常にあったわけです。
現実、それでは何が困るのでしょうか?

結論は、【個人目標の設定】は必須です

いきなり結論ですが、会社組織である限り、その経営理念が必要であることと同じくらい、コミュニケーションが大事であることと同じくらい、社員の個人目標は必要不可欠かつ、設定させることが大事です。
だって常駐現場が変わる度に、新しい言語を覚えさせられる、開発系だったのにインフラ系に回されて四苦八苦、なんてことが発生するのがSESです。
いやいや、あなたの実力を十分発揮できる現場を会社は選んでいるんだよ、ほら最新の技術、最新の言語を扱いたいでしょ?もっともっと派遣単価を上げるために、その現場で必要とされるスキルを身に付けてよ。だってやりたい仕事だって言ってたじゃない?やりがいあるでしょ?あなたのことを真摯に考えている会社は本当に素晴らしいなぁ、これからもしっかり会社に貢献してね!
はい。そう言われても社員の意見を全く聞かない、あるいは聞いているつもりで現場を勝手に決められると、その人間は辞めます。だってその会社で実現したいこと、なりたい自分がある社員であれば、頭ごなしに現場を決められるのは本当に嫌になりますからね。また、まだ会社で実現したいこと、なりたい自分が曖昧な社員でも、いやいや考える時間くらいくれよ、選択肢を与えてくれよ、となりますからね。
そんなんで会社に対する忠誠心が持てますか畜生と恨み節。そんな会社にいつまでもいられますか?
そこで、【個人目標の設定】が必要となるのです。

個人目標、それって何なの?

そもそも個人目標って何なのか、どのようなイメージを持たれますでしょうか?
いや、うちの会社にあるよ?評価制度や目標達成制度の基準になる、半期ごとに達成するものでしょ?という方もいるかもしれませんが、ここでの個人目標はそれとは異なります。
離職率を劇的に改善する個人目標の設定とは、将来なりたい自分、理想の自分を自ら考え、設定することです。
会社で仕事をする中で、自分が納得できる高次の目標がないと、ただ給料をもらうだけの仕事となってしまいがちですよね。まぁそれでも安定感をめっちゃ満たせますので問題ないかもしれませんが、やはり成長もしたいし感じていたい、という欲求は誰にでもあるものだと思うのです。
なので、目先の賃金を確保するための手段でしかない評価制度や目標達成制度での個人目標でない、社員1人1人のキャリアを考慮した個人目標の設定が必要となるのです。

個人目標、その意義は?

個人目標と一言で言っても、社員の数だけあります。ですが、それら全てを見える化すると、不思議なことに経営理念と一致、はしていなくても合致はしているのです。
個人目標を言語化・共有化することで、何のためにこの会社にいるのか、何のためにこの仕事をしているのか、経営理念と繋がります。社員の想いが会社の想いと重なるのです。
何を実現するためにこの会社にいるのか、目指す方向と会社の方向は合っているのか、何のためにこの現場にいるのか、それに価値を感じているのか?
このようなことをハッキリと認識しておくことで、この現場で本当に成長できるのか、やりたいって思えるのか、その判断基準となる基軸を作ることができます。そして、現場へ派遣する前の客先との面談時に、この個人目標を持って挑むと、だいたい採用されます。信頼も得られます。そこまで目的意識を持っているエンジニアは重宝されます。
これってステキなことですよね。

個人目標、ないといけないの?

なくても問題ない、とは言えないですね。やはりそこは欲しい。現状維持でいい、給料貰えれば現場なんかどこでもいい。そう考えている社員でも、しっかりコミュニケーションを取って話を聞いてみると、漠然的かもしれませんが将来の夢や目標、成したい目的が出てくるのです。
何がやりたいのか、何ができるのか、何が必要とされているのか。
これを社員に認識させ、目標として設定させるためには、コミュニケーションが必要です。それも一定のルールに従ってのコミュニケーションが。
ルールとは、経営理念から発生します。理念に基づいたコミュニケーションを図る必要があるのです。なので経営理念が明確化されていないといけません。
会社が実現したいことを常に考え、リーダーを中心としてチームやプロジェクト単位のミッションに基づいたコミュニケーションをとることで、社員一人一人の目標を設定していく。それでこそ「個人目標の設定」が叶うのです。
個人目標が設定されることで、会社組織として進むべき航路への推進力が生まれます。推進力は、すなわち生産性の向上へと繋がります。
ですから、個人の目標設定を叶えられるような会社の仕組みが必要となります。
社員の考える理想の自分になれる道しるべが、ゴールが、会社内にあるといいと思いませんか?

まとめは、【個人目標の設定】は必須です

うちの会社は将来的にこうなる。今はSESもやっているけど、これから自社開発に向けてやっていくから、一緒に明るい未来を見ようよ。だってほら、それが君の夢を叶えることにもなるじゃないか。開発プロジェクトを1からマネジメントできる人間になりたいって夢を。
経営理念に則って、コミュニケーションを取りながら、共通の目標に向かって、【脱SES】目指して、一緒に頑張っていこう!
こう言われてたら、私の夢と未来の展望を飲み込んでくれる会社であれば、きっとキャリアの迷子になることなく1つの会社で頑張れただろうなぁと思う今日この頃です。社長や人事部が個人目標の大切さを理解していたならば、ですが。
2次請け以降のIT企業が、明るい未来を社員に見せるための三歩目。自律した組織として歩き始めるスタート。それが【個人目標の設定】だと確信しています。
そして、社員が会社の目指すところとなりたい自分を合致でき、語り合い、日々成長していける環境を提供することこそが、まだまだSESが主流のIT業界の中で、生き残れる秘訣となるでしょう。
 
働くを、楽しもう。