【脱SES】に経営理念の浸透は必要か

離職率を劇的に改善させる中小企業診断士・キャリアコンサルタントの森田です。
今回は、2次請け以降のIT企業が成長するため、従業員の定着率を向上させていくのに必要不可欠な【経営理念の浸透】について述べたいと思います。
2次請け以降のIT企業を9社経験していますが、規模の大小は多少あれど(100~3,000人)どこもだいたい経営理念がない、もしくはあってもホームページに書かれているだけ、社長室の壁に飾られているだけで、従業員は誰も知らないという状態でした。
会社から、社長から特に経営理念のアナウンスはなく、そもそも経営理念って何?それっておいしい?と現場のシステムエンジニアたちは、自分の会社が何のためにあるのか、自分たちは何のために仕事をしているのか、分からなくなっていたことは事実です。
現実、それでは何が困るのでしょうか?

 

結論は、【経営理念の浸透】は必須です

いきなり結論ですが、会社組織である限り、いや個人事業主であっても経営理念は必要不可欠かつ、浸透させることが大事なことです。
会社がどの方向に進むのか、その大きな方針となるのが経営理念です。経営理念がないと、経営戦略はもとより経営計画とか経営目標とか、いくら売上を上げればいいのかという数字も作れなくなるのですよね。それがいっさい従業員に公開されていなかったとしたら、果たしてどうなってしまうのか?
はい。ただ給料もらえればいいや、になってしまうのですね。だって会社がどうなりたいのか知らないのですから、お金の損得でしか考えられなくなるのです。それが積み重なると、恐ろしいことに会社の方針まで金儲けだけになってしまう。

金儲けしか考えていない会社や個人とお付き合いしたい、取引したいと考えられますか?ちょっとうまい話があるとそれまでの取引はなかったことにして節操なく飛び付く、そんな会社を信用できますか?
そこで、【経営理念の浸透】が必要となるのです。

経営理念はどこまで作り込むのか

そもそも経営理念には、どのようなイメージを持たれますでしょうか?
学校の学級目標にありがちな「けじめをつける」、「欠席しない」、「みんな仲良く」といったもの?
部活動のスローガンのような「常勝無敗」、「大胆緻密」、「過去の自分を超えろ」とか?
イメージしにくいかもしれませんが、経営理念とは「企業が目指す方向や、企業の存在意義」を下記の3つで表したものだと私は定義しています。
・ミッション・・・会社の生き方・役割
・ビジョン・・・会社の目指す目標
・バリュー・・・社会に提供する価値
ハッキリ言ってしまうと、この3つが明記されていないと経営理念とは言えない、です。
従業員に浸透させるためには、単なる標語ではない、経営者の想いがどのように込められているか、それをストーリーとして明らかにする必要があるからです。そのためには、少なくともミッション・ビジョン・バリューといったものが必要となるわけですね。
浸透させるには、語らなければなりません。語るためにはストーリーがなければなりません。

 

経営理念、その意義って?

経営理念の意義はいろいろありますが、一番は経営の軸ができることでしょう。
経営者の想いを言語化することで、経営や組織の軸が作られます。行動指針にもなります。
何を実現するために会社があるのか、会社の目指す方向はどこか、何のために存在しているのか、それに社会的な価値や貢献はあるのか?
このようなことを経営理念として明文化しておくことで、経営者はもとより従業員が迷うとき、困難に陥ったときの指針・判断基準となる基軸を作ることができます。そして、経営理念を掲げて高らかに表明することで、社内外からの信頼も得られます。社会にどんな価値を広め、貢献しようとしている会社なのか。想いを伝えることで、経営理念に共感するステークホルダー(従業員、株主、取引先、仕入先、官公庁など)からの信頼を得ることができるようになります。
これってステキなことですよね。

 

作ったら、浸透させよ

ただし、経営理念は、作ることが目的ではないです。ただ作って放置、ダメ絶対。経営ツールとしてしっかり活用することが大事です。活用するためには、経営者や幹部の頭の中にしまっておくのではなく、ホームページに載せたからと満足することなく、社内にしっかり根づかせます。
それでこそ「経営理念の存在価値や意義」が出るからです。
経営理念があることにより、会社組織としての一貫性が生まれます。一貫性は、すなわち信頼感へと繋がります。
何を大事にして、何を守るのか。それは経営理念に則しているのか?反しているのか?
それは人材採用・育成・評価や組織ビルディングだけでなく、マーケティング戦略、生産管理、財務会計などの会社運営すべてに関わってくることなのです。
なので、経営理念は浸透させねば意味がないのです。額縁から出しましょう。

 

まとめは、【経営理念の浸透】は必須です

うちの会社は将来的にこうなる。今はその途中でSESも頑張っているけど、必ず従業員が幸せになれる、明るい未来が見える会社にする。だってほら、その未来を経営理念でうたっているじゃない!それを君も知っている、それを目標に日々の仕事をしているじゃないか。
経営理念に則って、【脱SES】目指して、一緒に頑張っていこう!
こう言われてたら、こう言ってくれる会社であれば、きっとこんなに転職しなかっただろうなぁと思う今日この頃です。賛同できる経営理念であるならば、ですが。
2次請け以降のIT企業が、明るい未来を従業員に見せるための第一歩。一丁目一番地。それが【経営理念の浸透】だと確信しています。
そして、従業員が会社の目指すところを自分の目標に合致でき、日々成長していける環境を提供することこそが、多重派遣構造が続くIT業界の中で、生き残れる秘訣となるでしょう。

 

働くを、楽しもう。