【脱SES】は社員を定着、離職させないため

離職率を劇的に改善させる中小企業診断士・キャリアコンサルタントの森田です。
今回は、2次請け以降のIT企業が、会社の成長を社員に見せるために必要な【脱SES】について述べたいと思います。

 

2次請け以降のIT企業で長年システムエンジニアとして働いていたことから、同じ境遇の技術者と話す機会は多かったです。今でもお付き合いあります。
そこで感じたのは、2次請け以降のIT企業で働くシステムエンジニアは、自分たちの会社の未来が暗い、とのイメージを常に持っていたことです。
現実、そうなのでしょうか?

 

結論は、明るい未来を社員に見せること

いきなり結論ですが、明るい未来を社員に見せてくれれば良かったのに、と思うのです。
会社がどの方向に進むのか、企業理念はもとより経営戦略とか経営計画とか経営目標とか、いっさい社員に公開されていなかったのですよね。知っているのは経営陣のみ、下手したら部課長も知らない。儲かっているのか苦労しているのかも分からない。
社員はただ給料もらえればいいや、の会社だったのですよね。わたしは2次請け以降のIT企業を5社経験していますが、規模の大小は多少あれど(100~3,000人)どこもだいたい同じでした。
SESに頼っているとそうなるもの、と思っています。会社にいても明るい未来が見えず、自分のキャリアパスはこの会社にないと感じ、辞めていく人間多数。
それが2次請け以降のIT企業の、大半の姿だと思います。事実、わたしより年上の方がどの会社もほとんどいなかった。
そこで、【脱SES】です。

 

SESとは

SESとは【System Engineering Service】の略で、業務委託契約の一種です。
「派遣契約」と非常によく似た契約形態で、受託元の指揮命令系統のまま、発注元である客先に常駐してサービスを提供するものです。
特徴は以下の3つです。
・対価は提供したサービス(つまりは労働力)に対して支払われる。
・派遣契約と同様に成果物の完成責任は負わない。
・指揮命令系統は受注元にある。
ざっくり言ってしまうと、開発現場に社員を月〇〇万円で派遣すること、ですね。
建設業の多重構造に結構似ていますけど、根本的に違うのが、建設業の場合は個人事業主の一人親方が多いのに対して、IT業界は自社の社員を派遣するところですね。

 

SESに頼っていると

ということは、SESしかやっていない会社って、例え社員が数百人単位でいても、自社の事務所にいるのは社長と事務員のみ、なのでワンフロアもあれば十分、なんですね。

SESで技術者みんな他社に派遣させてるから、自社には誰もいない。プロジェクト終わっても自社に机も椅子もないから、すぐにまた他社へ派遣される。
これって、会社にとっても社員にとっても不幸なことだと思いませんか?
会社にとっては、社員を教育できません。すべて現場任せになる。そして場所が離れると心も離れる…遠距離恋愛って難しいですよね、みたいに社員の帰属意識が薄れてしまいます。結果、社員が定着しない。なので採用コストもかかるし派遣単価も安いまま、売上伸びず。
社員にとっては、会社の指示命令で現場を転々とすることで、自分のキャリアをどう構築していくか考えることができなくなります。技術的にもその場しのぎばかりで自分の強みを身に付けづらく、また、いつまで現場回りをしているのだろう、会社は自分を本当に必要としてくれているのか、と疑心暗鬼となります。結果、離職してしまう。なので技術力も上がらないしキャリアも構築できないまま、業界を転々。
はい、昔のわたしですね。
このように、SESに頼っていると、社員を雇え、現場がある限りは安定的な経営が可能ですが、会社の成長、社員の成長という意味では苦しくなっていきます。

 

SESに頼らないために

そこで、【脱SES】が必要となってきます。

あ、すぐにSES辞めろって話ではないですよ。ご安心ください。IT企業の経営者であれば、自社が1次請けとして発注元から直請けしたい、自社サービスを開発したい気持ちは誰でもどこかしら持っていると思います。
例え、SESなら安定した経営できるから…と割り切っている方でも、その思いは必ずあると思います。
自社サービス、自社製品、元請への事業展開。
確かに、これらにはリスクがあります。自社開発はそもそも何をすればいいのかからスタートなので、成功するしない以前に人と予算を結構投入しますからね。また、元請で契約形態を請負にすると、製造完成責任がもれなく付いてくるので、プロジェクトマネジメントに優れたエンジニアがいないと、炎上させて赤字になるのがオチです。
だがしかし。
会社としてどのように成長していくか。
それを社員にはっきりと見せるためには、【脱SES】につながる活動をしていくことが何よりも重要、だと思います。【脱SES】につながる活動を!です。

 

まとめは、明るい未来を社員に見せること

うちの会社は将来的にこうなる。

今はその途中でSESも頑張っているけど、必ず社員が幸せになれる、明るい未来がある会社にする。
だから、仕事を覚え、技術を身に付け、お客様との折衝も身に付けたら帰ってきて。【脱SES】の活動として、一緒にいろいろ考えていこう!
こう言われてたら、こう言ってくれる会社であれば、きっと辞めなかっただろうなぁと思う今日この頃です。
2次請け以降のIT企業が、明るい未来を社員に見せるために必要なこと。それが【脱SES】の活動だと確信しています。そして、社員を大切にする経営姿勢を見せ、健全な経営を行うIT企業こそが、この空前の人手不足の中、生き残れるに違いありません。
 
働くを、楽しもう。